過去の原子衝突セミナー
第14回原子衝突セミナー案内
原子衝突セミナー世話人
第14回原子衝突セミナーは予定通り3月29日(木)~3月31日(土)の日程で、上智大学四谷キャンパスにて盛況のうちに行われました。
多数のご参加、誠にありがとうございました。
日程
3月29日(木) | 3月30日(金) | 3月31日(土) | |
1限 10:00~11:30 | - | 講義A | 講義A |
昼食 (11:30-12:30) | |||
2限 12:30~14:00 | 講義A | 講義A | 特別企画 |
3限 14:15~15:45 | 講義B | 講義C | - |
4限 16:00~17:30 | 講義B | 講義C | - |
※スケジュールは多少変更の可能性あり。
会場
上智大学四谷キャンパス
セミナー会場:上智大学3号館3階3-321室
懇親会会場:ソフィアンズクラブ
〒102-8554 東京都千代田区紀尾井町7-1
アクセスマップ
JR中央線、東京メトロ丸ノ内線・南北線/四ッ谷駅 麹町口・赤坂口から徒歩5分
主催
共催
上智大学理工学部物理学科
内容
主に原子衝突と関連領域の大学院生・若手研究者を対象とした大学院レベルの講義。意欲ある学部学生の参加も歓迎。講義は、基礎的・包括的な内容の講義A(90分授業4時限分程度)と、最先端の研究例を学習する講義B・C(同各2時限分)からなる。参加者には講義ノートを配布。
講師
- 籏野 嘉彦 先生(日本原子力研究開発機構先端基礎研究センター長、東京工業大学名誉教授)
- 酒井 広文 先生(東京大学大学院理学系研究科物理学専攻助教授)
- 河野 裕彦 先生(東北大学大学院理学研究科化学専攻教授)
各講義の概要
- (講義A)
- 籏野 嘉彦 先生(日本原子力研究開発機構先端基礎研究センター長、東京工業大学名誉教授)
「原子・分子高励起状態の関与する動的諸過程」
概要
- はじめに
- R. L. Platzmanによる「超励起状態」アイデアの提案とその背景。
- R. L. Platzman,U.Fanoによるシンクロトロン放射(SR)の光源としての有用性に関する指摘とその背景。
- M. InokutiによるBethe理論、光学近似理論の評価。
- M. InokutiによるBethe理論、光学近似理論の評価。
実験:電子衝撃、放電ランプ、レーザー、SR等。
理論:ポテンシャル曲線、光学的振動子強度等。
- 光と分子の相互作用
- 光学的振動子強度分布、光イオン化断面積、光解離(中性断片化)断面積。
- 光イオン化量子収量の意味とその重要性。
- 2,3原子分子の超励起状態とその解離ダイナミックス
- 「超励起状態」とは、その電子状態の詳細と解離過程、理論的背景。
振動/回転励起した高Rydberg状態、内部コア励起状態、2電子励起状態等。 - 低い励起状態の解離ダイナミックスとの相違。
- 「超励起状態」とは、その電子状態の詳細と解離過程、理論的背景。
- 多原子分子について
- 分子は意外にイオン化しにくい(解離過程の重要性)。
- 光学的振動子強度分布に見られる分子による特異性と系統的な類似性。(多くの複雑な分子、高分子等への推論、新しい理論の展開へ)
- 超励起状態の関与する動的諸過程
- 電子・イオン再結合過程、Penningイオン化過程、電子付着過程等。
- 基礎から応用へ
- 凝縮系における問題への展開と実験・理論上のアプローチ。
- 多くの電離現象における役割。
- 今後の課題
- 実験:コインシデンス電子エネルギー損失分光、回転状態識別等。
- 理論研究への提言:解離過程、2電子励起状態、光学的振動子強度分布の理論等。
(参考文献)
- 籏野嘉彦、しょうとつ、2(6), 3-15(2005)
- Y. Hatano, Phys.Rep.,313(3),109-169(1999)
- A.Mozumder and Y.Hatano(eds), "Charged Particle and Photon Interactions with Matter", Marcel Dekker, New York(2004)
- (講義B)
- 酒井 広文 先生(東京大学大学院理学系研究科物理学専攻助教授)
「レーザー光を用いた気体分子の配列・配向制御とその応用」
概要
通常ランダムな向きを向いている気体分子の向きを、レーザー光を用いて制御する研究が分子科学のホットトピックスの一つとなっている。前半では、レーザー光を用いた分子操作の基礎的事項、研究の現状、今後の課題について解説する。後半では、配列した分子試料が威力を発揮する実例として、多光子イオン化や高次高調波発生実験への応用を紹介する。
(参考文献)
酒井広文、「レーザー光による分子操作と分子物理学の新展開」、日本物理学会誌、Vol. 61, No. 4, pp. 263-267 (2006).
- (講義C)
- 河野 裕彦 先生(東北大学大学院理学研究科化学専攻教授)
「強レーザー光と原子・分子との相互作用 -実験と理論の新展開-」
概要
クーロン力と同程度の力を電子に及ぼすことができる強レーザー光と原子・分子との相互作用についての理解は、原子・分子科学に新たな展開をもたらしつつある。例えば、近赤外高強度レーザー光を用いたアト秒パルス発生やその応用などが挙げられる。また、C60に9fs程度の高強度超短パルスを照射すると複数の電子が同時に励起され、そこから多価の親イオンやフラグメントが生成することが報告されている。これは非断熱多電子励起という新たな概念の導入を要求しており、理論の力量が試されている。最新の実験結果を紹介しながら、レーザー光と原子・分子との相互作用に関する理論について概説する。主な項目は次のとおりである。
- 原子からC60までの実験の新展開
- 光電子スペクトル
- 分子の解離制御と超多価カチオンの生成
- アト秒パルスと軟X線領域における非線形相互作用
- 強レーザー光と原子・分子との相互作用に関する基礎知識
- レーザー場中の電子ダイナミクスの理論
-電子の非断熱励起過程の理解を目指して-
- 時間依存断熱状態法
- 時間依存密度汎関数法
- 多配置時間依存ハートレー・フォック法
- レーザー場中の分子ダイナミクスの理論
- Floquet理論
- 時間依存断熱状態法
懇親会(予定)
3月30日(金) 18時~(セミナー2日目)
ソフィアンズクラブ
会費:有職者4,000円、学生1,500円
参加費
協会会員 | 協会非会員 | |
学生 | 無料 | 2,000円 |
一般 | 1,000円 | 3,000円 |
※遠方からの学生会員および当日入会予定者(但し、事前連絡済み)には若干の旅費を補助。詳細は事前に問合せのこと。
参加申込方法
行事委員会(AC-seminar2006@bunken.co.jp)までEメールをお送り下さい。
Eメールの題名は"原子衝突セミナー参加申込"とし、そのメール本文中に、
- 氏名
- 所属
- 身分
- 原子衝突研究協会の会員・非会員の別
- 連絡先(住所、TEL、FAX、E-mail)
- 懇親会への参加の有無
の情報を全て記入してお送り下さい。
※事前登録にご協力下さい。
※参加費は(懇親会に参加される方は懇親会会費もあわせて)、セミナー当日に現地受付にてお支払いください。
参加申込締切
2007年3月19日(月)
問合せ先
高橋正彦:
〒980-8577 仙台市青葉区片平2-1-1 東北大学 多元物質科学研究所 科学計測研究棟
TEL: , FAX:
E-mail: masahiko-@-tagen.tohoku.ac.jp
(“-@-”を “@”にしてお使いください)
以上
行事委員会
- 北島昌史(東工大)
- 木野康志(東北大)
- 下條竜夫(兵庫県立大)
- 高口博志(理研)
- 高橋正彦(東北大、委員長)
- 田沼肇(首都大)
- 中井陽一(理研)
- 菱川明栄(分子研)
- 星野正光(上智大)