原子衝突セミナー

第32回原子衝突セミナー案内

行事委員会

日程

3月27日(木)
11:30~12:00 受付
12:00~13:30 講義A-1
13:40~15:10 講義A-2
15:20~16:20 講義B-1
16:30~17:30 講義B-2
18:00~20:00 懇親会
(大学生協食堂PAL2階を予定)
3月28日(金)
9:00~9:20 受付
9:20~10:50 講義A-3
11:00~12:00 博士号取得者の特別講義
12:00~13:30 昼食
13:30~14:30 講義C-1
14:40~15:40 講義C-2

会場

東邦大学 理学部5号館5104室
https://www.toho-u.ac.jp/accessmap/index.html
*オンライン配信とのハイブリット開催を予定(Zoomによる配信)

主催

原子衝突学会

後援

一般社団法人 東邦大学理学部鶴風会

内容

主に原子衝突と関連領域の大学院生・若手研究者を対象とした大学院レベルの講義。講義は、基礎的・包括的な内容の講義A(90分授業3時限分)と、最先端の研究例を学習する講義B・C(60分各2時限分)からなります。意欲ある学部学生の参加も歓迎します。

講師

特別企画「私はこれで博士を取りました。」

立花佑一氏(理化学研究所),外山裕一氏(中部大学)

各講義の概要

(講義A)
 中井陽一 先生(理化学研究所)
  講義題目「非専門家が学んだ放射線物理学–阻止能とその周辺を中心に」
概要

阻止能は,荷電粒子が物質中を通過するときに生じる単位長さあたりの運動エネルギー損失量と同じもので,放射線物理学の専門家だけでなく,荷電粒子ビームを使用する非専門家の研究者や学生が最も使用する頻度の高い放射線物理学の物理量の一つであろうと思います.現在では高性能パソコンなら高度な放射線物理過程のシミュレーションまでが可能となり,その結果,阻止能を研究で使用することはあっても,阻止能という物理量の裏側にある物理原理を学ぶことは少なくなっていると思います.しかし,阻止能の理論を学ぶ中で,量子力学,電磁気学,原子物理学,衝突論などの我々の分野で使用される基礎を復習することとなり,また,高速イオンと物質の相互作用で現れる特徴的な現象に触れることになります.この講義では,高速イオン衝突や放射線物理学に馴染みの薄い学生の方を念頭に置き,非専門家の講師が阻止能を通して学んだことを説明するつもりです.阻止能公式の導出を進める中で,必要に応じて上記のような基礎知識の復習を行い,また,高速イオンと物質の相互作用で現れる特徴的な現象のいくつかをその考え方とともに紹介したいと考えています.研究が進んだ歴史的流れに必ずしも沿って講義はしません.最先端の研究はほとんど出てこないです.数式展開はいっぱい出てきます(これは我慢してください.できるだけ丁寧に説明します).この講義が物理現象の「絵」を頭の中に描く練習の一つになれば良いかなと考えています.


(講義B)
 山口敦史 先生(理化学研究所)
  講義題目「原子核時計」
概要

原子核時計とは、原子核遷移の共鳴周波数を基準とする周波数標準である。原子核遷移は、既存の原子時計が基準としている電子遷移に比べて格段に外部電磁場のゆらぎの影響を受けにくいため、周波数が極めて正確な時計を実現できると期待されている。原子核時計を実現できる同位体としてトリウム229が近年注目を浴びている。トリウム229は、レーザーで励起可能な、エネルギーがわずか8.4 eVの原子核励起状態(アイソマーと呼ばれる)をもつからである。基底状態とアイソマーの間の原子核遷移を使うと、原子核を精密レーザー分光することができ、原子核時計が実現できる。
 本講義ではまず、原子時計の歴史とその中での原子核時計の位置づけについて解説する。そして、原子核時計に使われるトリウム229同位体のアイソマーエネルギーが決まるまでの50年の歴史を振り返りながら、原子核時計研究の最前線と将来の応用について紹介する。


(講義C)
 中 竜大 先生(東邦大学)
  講義題目「放射線飛跡検出器「原子核乾板」の基礎と応用」
概要

現在、さまざまな放射線検出器が世界中で開発・実装が進められているが、素粒子物理学や原子核物理学において、 ” 飛跡 ” としての放射線の情報はさまざまな背景事象からの信号識別や荷電粒子の特性の本質的な理解にとって極めて重要である。その中で、原子核乾板は特殊な写真フィルムを放射線検出器として機能させた検出デバイスであり、原子核乾板を構成する微細な AgBr 結晶を荷電粒子のセンサーとして利用することで極めて高い空間分解能を実現し、超高精細な飛跡検出を可能としている。この技術を生かすことで、これまで π 中間子の発見、チャームクォークで構成されるハドロンの発見、 τ ニュートリノの初検出など素粒子・原子核物理における歴史的な発見に貢献してきた検出器である。現在、原子核乾板デバイスならびにそれを読み出す顕微鏡システムのさらなる開発も進められており、多様な研究が展開されている。本講義では、原子核乾板の基本となる検出原理や光学顕微鏡による読み取りの基本を解説し、そこから近年の基礎・応用研究としての展開について解説を行う。


参加費

事前参加登録(振込)[3月14日(金)振込み分まで]
一般・終身・賛助会員 2,000円
一般 非会員 3,000円
学生会員 無料
学生 非会員 2,000円
事前参加登録なし、当日会場にて受付(現金のみ)
一般・終身・賛助会員 4,000円
一般 非会員 6,000円
学生会員 1,000円
学生 非会員 4,000円

※参加申し込みが早くても、3月14日(金)に振込確認ができない場合、通常参加登録料をお振り込み頂きます。
※印刷媒体の講義ノートの制作は行いません。振り込み確認後に、講義ノートのダウンロード用に参加登録者限定のホームページのアドレスをお知らせします。
※振込方法の詳細については、年会の参加手続き完了後に送信されるメール(受付完了通知)をご覧ください。
※遠方からの学生会員および当日入会予定者(但し,事前連絡済み)には、若干の旅費を補助します。詳細は事前にお問合せ下さい。

懇親会について

事前申し込み(振込)[3月14日(金)登録分まで]
一般 5,000円 学生 2,000円
当日申し込み(現金支払い)
一般 6,000円 学生 3,000円

※懇親会費は参加登録料と一緒に銀行振込みでお支払いください。また申し込みが早くても、3月14日(金)に振込確認ができない場合、当日料金をお振り込み頂きます。
※キャンセルは3月18日(火)まで受け付けます。下記事務局へご連絡ください。なお期日を過ぎた場合は全額徴収させていただきますのでご了承ください。

参加登録について

下の[申し込み手続きはこちら]をクリックし、表示の指示に従って事前参加登録をお願いします。懇親会参加希望の有無についても同画面からお願いします。

申し込み手続きはこちら(原子衝突学会第32回原子衝突セミナー)

※オンラインでの参加をご希望の方は上記の参加登録完了後,下記フォームへの登録もお願いいたします。後日参加URLをご連絡します。

オンライン参加申請はこちら

問合せ先

原子衝突学会 行事委員会 藤田奈津子
E-mail: acr-event[at]kokusaibunken.jp([at]を@に置き換えてください)

行事委員会

藤田奈津子(原子力機構,委員長),金安達夫(九州シンクロトロン光研究センター),木村直樹(核融合研),熊谷嘉晃(奈良女),高橋果林(東京情報デザイン専門職大),古川武(現地世話人,東邦大),満汐孝治(産総研)

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