原子衝突セミナー
原子衝突学会では、学生や若手研究者を対象とした原子衝突セミナーを毎年春に開催しております。原子衝突セミナーでは原子衝突研究の基礎から最先端までを学ぶことができ、毎回多くの学生、若手研究者が参加し好評を得ています。 |
第22回原子衝突セミナー案内
行事委員会
日程
3月30日(月) | |
1限 12:30-14:00(90分) | 講義A |
2限 14:10-15:40(90分) | 講義A |
3限 15:50-16:50(60分) | 講義B |
4限 17:00-18:00(60分) | 講義B |
懇親会 |
3月31日(火) | |
1限 09:20-10:50(90分) | 講義A |
2限 11:00-12:30(90分) | 講義A |
昼食(12:30-13:30) | |
3限 13:30-14:30(60分) | 講義C |
4限 14:40-15:40(60分) | 講義C |
※スケジュールは多少変更の可能性あり。
会場
電気通信大学 東地区B棟101
東京都調布市調布ヶ丘1-5-1
京王線 調布駅下車 中央口改札 中央口より徒歩5分
アクセス・キャンパスマップ
主催
内容
主に原子衝突と関連領域の大学院生・若手研究者を対象とした大学院レベルの講義.意欲ある学部学生の参加も歓迎.講義は,基礎的・包括的な内容の講義A(90分授業4時限分)と,最先端の研究例を学習する講義B・C(60分各2時限分)からなる.参加者には講義ノートを配布.
講師
- 平山孝人 先生 (立教大学)
- 中野祐司 先生 (理化学研究所)
- 山崎優一 先生 (東北大学)
各講義の概要
- (講義A)
- 平山孝人 先生 (立教大学)
講義題目「希ガス原子・クラスター・固体における電子的励起過程と崩壊過程」
概要
私は以前からさまざまな様態の「希ガス」を対象とした研究を行ってきた.希ガス原子は「不活性ガス」と呼ばれることが示す通り,それ自身単体で安定に存在する単原子分子である.希ガスはその安定さから,原子や固体といった全く違う様態でもその電子的性質はかなり似通っている事が知られている.そのため,原子数が最小の極限である孤立した原子,および最大の極限である固体,またその中間であるクラスターという3つの状態を「電子的励起過程」という一つのキーワードで統一的に理解することが可能であると考えている.
本講義では,希ガスの原子・クラスター・固体の電子的励起・崩壊過程について概説し,特に固体からの「脱離」という現象を通して観ること・知ることができる物理について紹介したい.古くから数多くの研究例がある「希ガス」も,まだ面白いことがたくさんあるということを知っていただければと思っている.
- (講義B)
- 中野祐司 先生 (理化学研究所)
講義題目「加速器技術を使った原子分子物理」
概要
加速器を使うと,高いエネルギーで原子や分子を衝突させることが可能になります.原子核や素粒子の分野では,高エネルギー化,高強度化を目指して様々な加速器が作られ,現在も新しい施設や技術の開発が進んでいます.これらの技術は医療や物質分析などにも役に立っています.
通常,原子・分子の構造や,反応の様子を調べる場合,加速器を使うほどの高エネルギーで衝突させる必要性はあまり生じません.多くの場合,実験室で手軽に扱える数keV〜数10keV程度の衝突エネルギーで効率的に実験を行うことができるからです.
ところが原子分子物理の観点からも,「高い衝突エネルギー」とは別の目的で加速器を使った,ユニークな実験が行われています.あるいは,加速器で発達した技術を実験室レベルの低エネルギーに落とし込んで応用する例もあります.加速器技術を使うことで,どのようなメリットがあるのでしょうか?
本講義では,加速器や,高エネルギービームの性質などについて一般的に解説したのち,私の携わってきた研究から以下の2つのテーマについて紹介します.
- コヒーレント共鳴励起: “擬似”X線レーザーによる原子操作・分光
- イオン蓄積リングとマージドビーム: 高速ビームを使った超低速衝突
- (講義C)
- 山崎優一 先生 (東北大学)
講義題目「多重計測電子分光で探る電子波動関数の立体的形状」
概要
電子波動関数ないし電子密度分布の研究は,物質科学から生命科学にわたる自然科学の広範な分野で依然、中心課題の一つである.その最大の理由は,物質の機能性,反応性,分子認識など多様な反応一般を支配する主たる起源が電子波動関数にあることによる.そのような波動関数形を観測する試みの一つに,多重計測電子分光がある.すなわち,電子分光法において,電離エネルギーに加えて,分子配向や電離生成物の角度相関など反応の立体特性に関連した物理量をも多重計測することにより,電離電子の一電子波動関数形(束縛および連続状態)を調べることができる.本講義では,原子,光,および電子を励起源とする種々の多重計測電子分光法の原理と最近の研究成果を紹介する.とくに,二次元ペニングイオン化電子分光は分子表面領域の分子軌道,分子座標系光電子角度分布測定は分子内部領域の光電子波動関数,および(e,2e)電子運動量分光は運動量空間分子軌道に関する情報を与えることを,研究例を挙げて概説する.また,光化学反応の「分子軌道ムービー」の撮影を目指して現在開発中の時間分解電子運動量分光の現状と展望についても触れる.
懇親会
1日目講義終了後.電気通信大学 東地区 大学会館2階 生協食堂を予定.会費は一般5,000円,学生2,000円.当日現金にてお支払いください.
参加登録費
学会会員 | 学会非会員 | |
---|---|---|
学生 | 1,000円 | 3,000円 |
その他 | 3,000円 | 5,000円 |
学会会員 | 学会非会員 | |
---|---|---|
学生 | 2,000円 | 4,000円 |
その他 | 4,000円 | 6,000円 |
※遠方からの学生会員および当日入会予定者(但し,事前連絡済み)には若干の旅費を補助.詳細は事前に問合せのこと.
事前参加登録要領
下の[セミナー事前参加登録手続きはこちら]ボタンをクリックし,表示の指示に従って事前参加登録をお願いします.懇親会参加希望の有無についても同画面からお願いします.出来るだけ事前参加登録をお願いいたします.事前参加登録費のお振込み方法については,登録後に届く受理通知メールをご覧ください.潤滑な準備・運営に何卒ご協力下さい.
※現在非会員の方には,事前に入会手続きをしていただきますと,会員参加費となります.これを機に是非ご入会ください.(会費は月割りです.)
入会のお申込みはこちら
[セミナー事前参加登録手続きはこちら](2/6受付開始予定)
・参加登録締切:3月6日(金)
・参加申し込みは締め切りました
問合せ先
加藤太治
〒509-5292 岐阜県土岐市下石町322-6
核融合科学研究所 ヘリカル研究部 核融合システム研究系 原子分子過程研究部門
TEL: 0572-58-2260
E-mail: acr-event@@kokusaibunken.jp
(“@@”を“@”にしてお使いください)
以上
行事委員会
- 加藤太治(核融合研、委員長)
- 木野康志(東北大)
- 坂上裕之(核融合研)
- 佐々木明(JAEA)
- 田沼 肇(首都大)
- 村上 泉(核融合研)
- 中村信行(電通大、現地世話人)