原子衝突セミナー
原子衝突学会では、学生や若手研究者を対象とした原子衝突セミナーを毎年春に開催しております。原子衝突セミナーでは原子衝突研究の基礎から最先端までを学ぶことができ、毎回多くの学生、若手研究者が参加し好評を得ています。 |
第24回原子衝突セミナー案内
行事委員会
日程
3月27日(月) | |
1限 12:30-14:00(90分) | 講義A |
2限 14:10-15:40(90分) | 講義A |
3限 15:50-16:50(60分) | 講義B |
4限 17:00-18:00(60分) | 講義B |
懇親会 |
3月28日(火) | |
1限 09:20-10:50(90分) | 講義A |
2限 11:00-12:30(90分) | 講義A |
昼食(12:30-13:30) | |
3限 13:30-14:30(60分) | 講義C |
4限 14:40-15:40(60分) | 講義C |
休憩 15:40-15:50(10分) | |
5限 15:50-16:50(60分) | 特別講演 |
※スケジュールは多少変更の可能性あり。
会場
日本大学理工学部 駿河台キャンパス 144教室←変更になりました
〒101-8308 東京都千代田区神田駿河台1-8-14
JR中央・総武線「御茶ノ水」駅 下車徒歩3分
東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」駅 下車徒歩3分
東京メトロ丸ノ内線「御茶ノ水」駅 下車徒歩5分
会場案内マップ
主催
内容
主に原子衝突と関連領域の大学院生・若手研究者を対象とした大学院レベルの講義。意欲ある学部学生の参加も歓迎。講義は,基礎的・包括的な内容の講義A(90分授業4時限分)と,最先端の研究例を学習する講義B・C(60分各2時限分)からなる。参加者には講義ノートを配布。
講師
- 森下 亨 先生 (電気通信大学)
- 向山 敬 先生 (電気通信大学)
- 大島康裕 先生 (東京工業大学)
- Arno Ehresmann 先生 (ドイツ カッセル大学)〔特別講演〕
各講義の概要
- (講義A)
- 森下 亨 先生 (電気通信大学)
講義題目「高強度レーザー場中の原子・分子の物理」
概要
原子や分子に強いレーザー光を照射すると,トンネルイオン化や高次高調波発生といった高次の非線形現象が現れる。こうした現象をどのように理解すればよいか?基礎的な解析的理論と数値計算手法について解説します。
- (講義B)
- 向山 敬 先生 (電気通信大学)
講義題目「極低温原子・イオン系で探求する凝縮系物理と低温衝突過程」
概要
中性原子気体やイオンとレーザー光との間の相互作用を利用することにより,マイクロケルビンという温度領域の極低温の原子・イオン集団を生成する技術が確立されました。この技術を用いて1995年には中性原子気体系においてボース・アインシュタイン凝縮が実現され,その後も原子系の持つ高い実験自由度を利用したさまざまな量子多体効果の研究や極限的技術への応用を目指した研究が進められています。特に冷却中性原子気体は量子凝縮状態でありながらもその希薄さゆえに原子間相互作用の理論的記述の精度が高く,さらに散乱の共鳴現象を利用することにより原子間相互作用が人為的に可変であることから強相関系から理想気体系にわたる様々な状況を系統的に研究することができるため,凝縮系物理の理解と新しい理論の構築を可能にする様々な研究への応用が期待されています。また原子・イオン系を共振器や物質表面,光ファイバーなどの系を用いて制御する新しい技術も提案されており,現在世界中の研究グループにより量子技術への応用を目指した研究が進められているところです。本講義では私自身が進めている研究の中から,極低温に冷却されたフェルミ原子気体を用いた強相関系や少数粒子多体系に関する研究,極低温原子・イオン混合系を用いた極低温化学反応の研究,イオンを用いた新規量子技術開発等に関する話題について紹介します。
- (講義C)
- 大島康裕 先生 (東京工業大学)
講義題目「分子運動量子波束の生成・制御・観測」
概要
分子が時々刻々とその向きや構造を変えていく様は,量子力学的には時間依存する波動関数,つまり,量子波束として記述される。本講義では,このような分子の回転や振動に関する量子波束の生成・制御ならびに観測について,基本的概念や実験手法の概要をできるだけ分りやすく解説したい。まず,光と分子とのコヒーレント相互作用についての極めてシンプルな例によって,量子波束とは何かを考えることからスタートしよう。さらに,量子波束をどのように実験的に捉えるのか,について議論を進め,最後に,いかに思い通りの量子波束を作り出すのか,について考察しよう。分子運動量子波束に関する研究は,既に30年以上に亘る歴史を持つが,極短パルスレーザーやイオン画像観測法などの急速な実験技術の進歩とともに,現在でも革新的な展開をみせている。本講義が,What next?を自分なりに考える手がかりとなってくれれば幸いである。
- (特別講演)
- Arno Ehresmann先生 (ドイツ カッセル大学・副学長)
講義題目 "Electron emission processes in Atoms, Molecules, Clusters, and Liquids upon (High Energy) Single-Photon Interaction"
概要
In the last decades we have examined physics fundamentals of electron emission processes from small systems, with continuously increasing complexity of the objects of interest (atoms molecules, clusters, liquids). The main experimental focus has been laid on the spectroscopic investigation of radiative processes in succession to electronic excitation or ionization events, or to fragmentation processes and in particular cases electron and ion spectrometry have been used.
In the present review we discuss for the simplest systems (atoms) experimental evidence of electron correlative und quantum interference processes delivered by fluorescence spectrometry after excitation by monochromatized synchrotron radiation. For homonuclear diatomic molecules we discuss experimental evidence of interference between the two indistinguishable outgoing electron waves originating from the two equivalent atomic sites in the molecule (Cohen-Fano oscillations) using angle resolved photoelectron spectrometry. Proceeding to more complex systems (clusters), we will discuss the use of fluorescence spectrometry to detect and quantify Interatomic Coulombic Decay, Electron Transfer Mediated Decay processes, and in general photon emission processes from clusters, where particularly a time resolved spectrometry technique is useful.
This research on individual atoms, molecules, or clusters systems can be regarded as preparatory to develop a technique for a quantitative investigation of liquids. Here fluorescence has the potential to deliver information from bulk liquid or from solvated molecules due to its larger escape length as compared to electrons. As liquids are rather complex we will discuss experiments on a step-to-step basis to investigate emission processes from a pure water jet in a vacuum environment. In case of further success these experiments will be the basis for the investigation of radiation induced phenomena in molecules of biophysical relevance. For an advanced reading a list of recent publications of the entitled research is shown below.
The works were performed with a number of collaborators shown as the coauthors in the reference list. Financial supports by the Hesse-State Initiative for Development of Scientific and Economic Excellence (LOEWE) in the LOEWE-Focus ELCH and German Federal Ministry of Education and Research and travel support from the Deutscher Academischer Austausdienst (DAAD) for a German-Japan Bilateral Research Program are acknowledged.
懇親会
1日目講義終了後,1号館2階カフェテリアにて開催。会費は一般5,000円,学生2,000円。当日現金にてお支払いください。
参加登録費
学会会員 | 学会非会員 | |
---|---|---|
学生 | 1,000円 | 3,000円 |
その他 | 3,000円 | 5,000円 |
学会会員 | 学会非会員 | |
---|---|---|
学生 | 2,000円 | 4,000円 |
その他 | 4,000円 | 6,000円 |
※遠方からの学生会員および当日入会予定者(但し,事前連絡済み)には若干の旅費を補助。詳細は事前に問合せのこと。
事前参加登録方法
下の[セミナー事前参加登録手続きはこちら]ボタンをクリックし,表示の指示に従って事前参加登録をお願いします。懇親会参加希望の有無についても同画面からお願いします。出来るだけ事前参加登録をお願いいたします。事前参加登録費のお振込み方法については,登録後に届く受理通知メールをご覧ください。潤滑な準備・運営に何卒ご協力下さい。
※現在非会員の方には,事前に入会手続きをしていただきますと,会員参加費となります。これを機に是非ご入会ください。(会費は月割りです。)
入会のお申込みはこちら
[セミナー事前参加登録手続きはこちら]※事前参加は締め切りました。セミナー会場で参加を受け付けます。
事前参加登録締切:3月3日(金)
※入会手続き中で会員IDをお持ちでない方は,非会員用ログインID取得画面にて入会申請中の種別を選択すれば会員料金での受付となります。ご不明の点はお問合せください。
問合せ先
原子衝突学会行事委員会事務局
〒464-8602 名古屋市千種区不老町
名古屋大学大学院理学研究科物質理学専攻(化学系)光物理化学研究室内
TEL: 052-789-2494 (菱川明栄)
E-mail: acr-event@@kokusaibunken.jp
(“@@”を“@”にしてお使いください)
以上
行事委員会
- 菱川明栄(委員長 名古屋大学)
- 足立純一(高エネルギー加速器研究機構)
- 大橋隼人(富山大学)
- 佐甲徳栄(現地世話人,日本大学)