原子衝突セミナー
原子衝突学会では、学生や若手研究者を対象とした原子衝突セミナーを毎年春に開催しております。原子衝突セミナーでは原子衝突研究の基礎から最先端までを学ぶことができ、毎回多くの学生、若手研究者が参加し好評を得ています。 |
第25回原子衝突セミナー案内
行事委員会
日程
3月29日(木) | |
1限 12:30-14:00(90分) | 講義A |
2限 14:10-15:40(90分) | 講義A |
3限 15:50-16:50(60分) | 講義B |
4限 17:00-18:00(60分) | 講義B |
懇親会 |
3月30日(金) | |
1限 09:20-10:50(90分) | 講義A |
2限 11:00-12:30(90分) | 講義A |
昼食(12:30-13:30) | |
3限 13:30-14:30(60分) | 講義C |
4限 14:40-15:40(60分) | 講義C |
※スケジュールは多少変更の可能性あり。
会場
東京大学 本郷キャンパス 化学講堂(理・化学本館5F)
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_06_07_j.html
主催
内容
主に原子衝突と関連領域の大学院生・若手研究者を対象とした大学院レベルの講義.意欲ある学部学生の参加も歓迎.講義は,基礎的・包括的な内容の講義A(90分授業4時限分)と,最先端の研究例を学習する講義B・C(60分各2時限分)からなる.参加者には講義ノートを配布.
講師
- 講義A:長嶋泰之 先生 (東京理科大学)
- 講義B:金安達夫 先生 (九州シンクロトロン光研究センター)
- 講義C:森下 亨 先生 (電気通信大学)
各講義の概要
- (講義A)
- 長嶋泰之 先生(東京理科大学)
- 講義題目「陽電子の衝突過程」
概要
電子の反粒子である陽電子が気体分子と衝突すると、電子の場合と同様に様々な散乱現象が起こる.しかしその様子は多くの場合、電子散乱の場合とは異なる.例えば電子散乱では、分極の効果と原子核との相互作用がいずれも引力であるため2つの効果が強め合うのに対し、陽電子散乱では原子核との相互作用が斥力になるため2つの効果が打ち消しあい、一般に散乱断面積は電子散乱の場合よりも小さくなる.また陽電子は電子と束縛して、ポジトロニウムと呼ばれる、いわば最も軽い中性原子を形成することがある.ポジトロニウムは、陽電子-気体分子散乱のみならず、陽電子が固体表面と衝突した場合にも生成される.ポジトロニウムは短い寿命で自己消滅する準安定な束縛状態であるが、自己消滅するまでは原子としての性質を有することが知られている.さらに陽電子が2個の電子と束縛してポジトロニウム負イオンを形成したり、2個のポジトロニウムが束縛してポジトロニウム分子を形成することも知られている.このような束縛状態も、広い意味での衝突現象の生成物といえる.
この講義では、これらの陽電子の衝突過程や、その実験技術の基本について解説を行う.陽電子の実験技術の発展は、陽電子を用いた固体物理の研究とともに発展してきた.この講義では、陽電子を用いた物性研究の内容も織り交ぜながら、陽電子の衝突過程について独断と偏見に満ちた解説をしたい.
- (講義B)
- 金安達夫 先生(九州シンクロトロン光研究センター)
- 講義題目「短波長光渦の生成とその応用」
概要
螺旋状の波面を有する電磁波「光渦」は伝搬軸上に位相特異点を持ち,またスピンとは別に軌道角運動量を運ぶことが知られている.これまで光渦の利用は主に波面整形が容易な可視光領域でレーザーを用いて行われてきた.ところが近年,円運動を行う荷電粒子の電磁放射は光渦の性質を有することが見いだされた.この現象を相対論的速度の電子に応用したのがヘリカルアンジュレータによる光渦生成である.この手法を用いれば真空紫外からX線領域で波長可変の光渦が得られることから,これまで未開拓の研究分野であった短波長域の光渦利用の期待が高まりつつある.本講義では短波長域の光渦生成法とその応用を概説する.はじめに光渦の一般的な性質や短波長化へ向けた研究の現状を解説した後,荷電粒子による渦放射の原理とヘリカルアンジュレータによる検証実験,短波長光渦の応用例として原子分子との相互作用研究を紹介する.
- (講義C)
- 森下 亨 先生(電気通信大学)
- 講義題目「高強度レーザー場中の原子・分子過程」
概要
原子や分子に強いレーザー光を照射すると、トンネルイオン化や高次高調波発生といった高次の非線形現象が現れる.こうした現象をどのように理解すればよいか?最近の実験研究を踏まえて、これまでにわかっていること、わかっていないこと、わかりたいこと、を紹介します.原子衝突の次世代を担う若手のみなさんに考えるきっかけになっていただければ、と思います.
参加登録費
学会会員 | 学会非会員 | |
---|---|---|
学生 | 1,000円 | 3,000円 |
その他 | 3,000円 | 5,000円 |
学会会員 | 学会非会員 | |
---|---|---|
学生 | 2,000円 | 4,000円 |
その他 | 4,000円 | 6,000円 |
※遠方からの学生会員および当日入会予定者(但し,事前連絡済み)には若干の旅費を補助.詳細は事前に問合せのこと.
懇親会
1日目講義終了後,生協第二食堂ホールにて開催(18:30-20:30).
会費:
一般 | 学生 | ||
---|---|---|---|
事前受付 | 5,000円 | 2,000円 | 当日現金にてお支払いください |
当日受付 | 6,000円 | 3,000円 | 当日現金にてお支払いください |
事前参加登録方法
下の[セミナー事前参加登録手続きはこちら]ボタンをクリックし,表示の指示に従って事前参加登録をお願いします。懇親会参加希望の有無についても同画面からお願いします。出来るだけ事前参加登録をお願いいたします。事前参加登録費のお振込み方法については,登録後に届く受理通知メールをご覧ください。潤滑な準備・運営に何卒ご協力下さい。
※現在非会員の方には,事前に入会手続きをしていただきますと,会員参加費となります。これを機に是非ご入会ください。(会費は月割りです。)
入会のお申込みはこちら
[セミナー事前参加登録手続きはこちら]
事前参加登録締切:3月2日(金) ※事前参加は締め切りました。セミナー会場で参加を受け付けます。
問合せ先
原子衝突学会第25回原子衝突セミナー事務局
〒464-8602 名古屋市千種区不老町
名古屋大学大学院理学研究科物質理学専攻(化学系)光物理化学研究室内
TEL: 052-789-2494 (菱川明栄)
E-mail: acr-event@@kokusaibunken.jp
(“@@”を“@”にしてお使いください)
行事委員会
菱川明栄(委員長 名大),足立純一(KEK),大橋隼人(富山大),岡田邦宏(上智大),歸家令果(東大,現地世話人),佐甲徳栄(日大)