過去の原子衝突若手の会
第24回 原子衝突若手の会 秋の学校活動報告
若手の会事務局代表 新潟大学 古屋 周作
第24回若手の会「秋の学校」は、平成15年10月24日(金)から26日(日)の3日間に渡り、群馬県吾妻郡草津町大字草津大字白根 草津セミナーハウスに於いて行われました。
参加大学、研究機関
海上技術安全研究所、理化学研究所(原子物理研)、上智大学(田中研)、
東京工業大学(河内研)、東京大学(小牧・山崎研)、東京都立大学、
東邦大学(燃焼科学教室)、京都大学(量子研)、新潟大学(山崎研・檀上研)
参加者
27名(講師含む)
講演
番号は講演順
- 島村 勲 (理化学研究所 嘱託研究員, 上智・埼玉・中央大学 非常勤講師)
「エキゾティックアトムの物理学」 - 福澤 宏宣 (東京工業大学 博士課程3年生)
「コインシデンス電子エネルギー損失分光法で探る超励起分子」 - 山崎 勝義 (新潟大学理学部 助教授)
「化学反応ダイナミックスに対する速度論的アプローチ」 - 星野 正光 (上智大学・理化学研究所 博士課程3年)
「低速多価イオンと原子の衝突による電子捕獲過程」 - 余語 覚文 (京都大学 博士課程3年)
「フラーレン薄膜へのMeV高速イオン照射」
以上、敬称略です。
会場について
平成15年度の「秋の学校」は関東甲信越地区国立大学共同利用研修施設「草津セミナーハウス」で行いました。当初は新潟大学周辺、もしくは新潟県内で行う予定でしたが、適当な宿泊施設がなかったため、当地に決定しました。実際に利用してみると、セミナーハウスの宿泊料金が安く、首都圏から新潟ほど遠くなく、都会の喧騒とは無縁の自然と一体となった施設で、合宿形式のセミナーには最適の場所でした。
参加人数について
今回の参加者人数は27名(講師を含む)と、例年に比べ多いとは言えない結果になりました。8月の衝突学会で秋の学校を告知しましたが、後日、諸事情により日程の変更を行ったことが大きな要因だったようです。また、東京周辺の大学の参加がほとんどだったのも、今回の秋の学校の特徴でした。次回は是非、全国各地からの参加をしてもらえるよう工夫していきたいと思っています。
講演について
今回の講演には、参加者が普段接している研究以外に、新しい見解をもってもらおうという目的でそれぞれ異なった特徴を持った研究分野でご活躍されている方々に講師をお願いしました。島村勲先生には、原子分子過程理論・エキゾチックアトム理論など、原子・分子全般について行われてきた長年の研究をもとに、「エキゾチックアトムの物理学」について講義をお願いしました。
山崎先生には「化学反応ダイナミックスに対する速度論的アプローチ」について、原子分子の話題も交えながら紹介していただきました。
また、現役の学生(D3)の福澤宏宣さん・星野正光さん・余語覚文さんにも講演をしていただきました。学年は多少違いますが、同じ学生の講演は、参加者にとって、よい刺激になったと思います。
ポスター発表について
秋の学校参加者によるポスターセッション(発表は12件)が行われました。皆どのポスターにも熱心に耳を傾け、発表後も質問や議論を持ちかける姿が多く見られました。これも、同年代同士の参加者だからこそできる事ではないでしょうか。昨年からの試みとして、発表のうち最も参加者の関心をひいたポスターを、参加者全員が審査員として投票し、選出しました。「第二回ポスター賞」は東京都立大学の高雄智治氏の「静電型イオン蓄積リングの開発Ⅱ -超高真空化と冷却試験-」と同大学の的場史朗氏の「極低温ヘリウム中の準安定原子イオンの移動度」に贈られました。
来年度
平成16年度の若手の会事務局を上智大学の田中研究室に決定致しました。新事務局への更なるご支援をお願いする次第であります。