原子衝突セミナー

第29回原子衝突セミナー案内

行事委員会

日程

3月28日(月)
1限 9:20-10:50(90分) 講義A
2限 11:00-12:30(90分) 講義A
昼食(12:30-14:00)
3限 14:00-15:30(90分) 講義B
4限 16:00-17:30(90分) 講義B
3月29日(火)
1限 9:20-10:50(90分) 講義A
2限 11:00-12:30(90分) 講義A
学生発表奨励賞 授賞式(12:30-12:35)
昼食(12:35-14:00)
3限 14:00-15:30(90分) 講義C
4限 16:00-17:30(90分) 講義C

会場

オンライン会場(Zoomによる配信)

主催

原子衝突学会

内容

主に原子衝突と関連領域の大学院生・若手研究者を対象とした大学院レベルの講義.講義は、基礎的・包括的な内容の講義A(90分授業4時限分)と、最先端の研究例を学習する講義B・C(90分各2時限分)からなります.意欲ある学部学生の参加も歓迎します.

講師

各講義の概要

(講義A)
 小澤正直 先生(中部大学)
  講義題目「量子測定理論入門」
概要

量子測定理論の基礎について解説します.量子力学が生まれた1930年代から50年近く,量子測定とは,波束の収縮と呼ばれる,被測定物理量の固有状態への状態変化を起こす状態変化の物理過程,または,それを近似的に実現するものと考えられ,ハイゼンベルクの不確定性原理もその仮説に基づいて基礎付けられてきました.しかし,1980年代になって,完全に一般的な量子測定の過程を扱う理論的方法が明らかにされ,それまでの仮説が極めて限定的であることが明らかになりました.この新しい量子測定理論において量子測定過程を数学的に表す方法には,間接測定モデルによる測定相互作用の明示的表現と量子インストルメントによる操作的表現があります.本講義では,まず,それらの同等性を解説し,この二つの表現方法を用いて,(i) 干渉計型と共振器型の二つの重力波検出方式をめぐる論争の解決,(ii) 測定誤差と擾乱に関するハイゼンベルクの不確定性関係の不成立と普遍的に成立する関係式の導出,(iii) 古典的2乗平均平方根誤差の概念を量子物理量の測定に拡張する問題の解決について解説する予定です.


(講義B)
 菱川明栄 先生(名古屋大学)
  講義題目「強レーザーパルスによる化学反応の可視化と制御」
概要

フェムト秒レーザーパルスを集光することで,原子や分子内のクーロン場に匹敵する大きな電場成分をもつ強いレーザー場を創り出すことができます.強レーザー場における原子や分子はトンネルイオン化やクーロン爆発,アト秒光パルス発生あるいは光ドレスト状態(=光の衣をまとった状態)の形成など,弱い光の場ではみられないエキゾチックな振る舞いを示すことがこれまで明らかにされています.ここでは,強レーザー場原子分子過程の基礎と,超高速化学反応ダイナミクスの可視化と制御への応用について最近の成果を交えながら学ぶことを目的とします.


(講義C)
 寺西慶哲 先生(陽明交通大学物理研究所)
  講義題目「量子ダイナミクスとその制御」
概要

量子トンネル効果や量子もつれに代表される量子力学に特有の現象を利用した新しい技術が近年大きな発展を見せている.外場による量子状態の制御はその中核をなす一つであり,理論実験の双方から精力的に研究が進められている.本講演では,時間依存のシュレディンガー方程式についての基本的な理解を深めることから出発して,量子制御の理論について様々な例を挙げて紹介していく.具体的には,原子の高速選択励起,ベンゼン環をもつ分子中の環電流制御,分子の解離チャンネル選択といった原子分子過程の制御や超電導キュービットのゲート操作などを取り上げ,個々の制御がどのような原理で達成されるのかを概観する.さらに,量子制御を利用した測定法や量子制御の限界についても議論する予定である.


参加方法について

オンラインセミナー会場へは、参加登録不要・参加費無料でご参加いただけます.本会会員の皆様は,開催日時になりましたら会員専用サイト,もしくは,【Coll-news22-008】にて配信済みのURLからご参加ください.非会員の方で本セミナーに参加をご希望の方は,下記問い合わせ先にご連絡頂くか,お近くの会員の方から会場URLを取得の上ご参加ください.

参加費

無料

懇親会

なし

問合せ先

原子衝突学会 行事委員会
〒630-8506 奈良県奈良市北魚屋西町
奈良女子大学理学部物理学コース放射線物理学研究室
TEL: 0742-20-3378
E-mail: acr-event[at]kokusaibunken.jp([at]を@に置き換えてください)

行事委員会

石井邦和(委員長 奈良女大)、
五十嵐明則(宮崎大),加藤太治(核融合研),椎名陽子(立教大),
日高 宏(北大),藤田奈津子(原子力機構東濃),穂坂綱一(QST高崎)

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